大分県佐伯市様
高出力無線LANを用いた
離島住民向け
VODサービス実証実験
CATV局および自治体向け
コンテンツアーカイブ&配信システム Bizlat for CATVの提供
ユビキタスが現実のものとなりつつある今、映像資産をファイルメディア化することで、今までではコスト面から実現が難しかったコンテンツの提供が可能となってきました。
それはエンターテイメント性の高いものから、デジタルデバイドを解消するといった社会的貢献を果たすところまで、日々現実味を帯びてきています。 実際に行われている、離島へのネットワークによる映像VOD配信の実証実験をご紹介します。
お客様紹介
大分県佐伯市
2005年3月3日に佐伯市と南海部郡5町3村が合併して新たに佐伯市となり、九州の市町村の中で最大の面積を持つ。
佐伯藩の城下町として栄えた江戸時代から「佐伯の殿様、浦でもつ」と言われており、豊富な海の幸と山の幸に恵まれ、「世界一、佐伯寿司」をキャッチフーズとして、観光客の誘致にも力を入れている。
〒876-8585 大分県佐伯市中村南町1-1
http://www.city.saiki.oita.jp
実験概要
本実験は、富士通ネットワークソリューションズ株式会社(以下、FNETS)が代表会社となり、株式会社EVC(以下、EVC)や自治体を含む5団体が協力して実施されている。
2007年7月から2008年3月にかけて、大分県佐伯市蒲江地区の蒲江浦本土と屋形島間(通信距離約3km)を、FNETSが構築する5GHz帯高出力無線LANで接続し、長期的な海上伝搬特性と、各種アプリケーションの動作と有効性を検証するものである(図1)。
EVCは本実験の中で、「Bizlat for CATV」を提供し、佐伯市の行政・地域映像をVOD方式で配信するサービスの構築を行った。
サービスは「佐伯市蒲江情報ビデオ」という名称で、高齢者の方でも簡単にTV画面で視聴できるよう、視聴端末にはSTB(セットトップボックス)を使用している。
図1:実験システム概要図実験参加の目的
EVCは、佐伯市が保有する蒲江地区の行政・地域映像(観光、祭り、入学式、卒業式、運動会など)をWindows Media形式にエンコードして「Bizlat for CATV」システムへ登録し、屋形島の各戸に設置するSTBからTV画面で視聴できる環境を構築した。
VOD方式のため、住民はいつもで見たい番組を繰返し視聴でき、早送りや巻戻しなどの操作も可能となっている。
EVCは本実験での実績とノウハウを元に、地方自治体のデジタルデバイド地域の情報格差解消と、均一的な行政のサービス提供に協力することによって、ユビキタスネットワークの実現に向けた、最先端の技術提供、製品開発でさらに貢献していく考えだ。
導入のポイント
導入のしやすさを追求
「Bizlat for CATV」は、ハードウェア・ソフトウェアを含むパッケージとして提供されるため、短期間での運用開始が可能である。 また、運用に必要となる機能は全て基本機能として実装され、最小構成・最小コストでスタートさせることもできる。
もちろん将来のサービス・機能拡張ができるように、ユーザ管理、課金情報管理、DRM管理、ユーザ毎の視聴状況照会・管理などのオプションも用意されている。
「Bizlat for CATV」とは?
CATV局や一部の自治体では、コミュニティチャンネルに代表されるような自主制作コンテンツを大量に保有しているが、過去の映像テープは倉庫に山積みとなり死蔵されているケースがある。
これらテープ素材をデジタル化・アーカイブ化し、簡単に検索・確認ができ更には再利用も可能とするシステム、それが「Bizlat for CATV」である。コンテンツの内容は、コミュニティチャンネルをはじめ、行政、福祉、防災、教育、農業情報などそれぞれの地域に密着した内容が考えられ、「Bizlat for CATV」のシステムイメージ(図2)に示すように、基本はアーカイブシステムとVOD配信システムで構成されている。
図2:Bizlat for CATV システムイメージ運用管理者機能の概要
運用管理者機能の一例として、メタデータをパラメータとして絞込み検索ができる「コンテンツ検索部」、「コンテンツ情報一覧部」、登録、修正、削除、参照が行える「コンテンツ操作部」が搭載されている(図3)。
ここで登録されたコンテンツは、VOD視聴用画面のコンテンツリストへ自動的に追加される。この際、視聴開始日や終了日の事前設定も可能なため、ホームページへ手作業で都度コンテンツを登録するような作業が不要となり、運用効率を大幅に向上させることが可能だ。
図3:運用管理者画面例導入の効果
コミュニティコンテンツを活かすソリューション
「Bizlat for CATV」
全国各地で離島や山間部などの条件不利地域におけるデジタルデバイド解消を目指し、ブロードバンドワイヤレスアクセスシステムを用いた実験が行われています。
EVCは、5GHz帯高出力無線LANシステムを用いたブロードバンド実証実験に参加して、自社のソリューションである、CATV局および自治体向けコンテンツアーカイブ&VOD配信統合管理システム「Bizlat for CATV」を提供し、その実力を発揮しました。