実稼動から約1年8ヶ月が経過した現在(2022年8月時点)、Bizlat Cloudは、CINEMA CHANNEL、各種IP放送、韓国TVチャンネルに適用されている。
利用者側は、約1,000店舗のネットカフェ、150箇所のホテルや病院などになる。コンテンツについては、例えばCINEMA CHANNELの場合、常時1,000タイトルが、また韓国TVチャンネルの場合には、5,000話が用意されており、前者は毎月頭に、約10%にあたる100タイトルが入れ替えられている。
そして、これらの膨大なコンテンツの運用・管理や視聴状況の把握などの作業は、Bizlat Cloudのダッシュボード経由で鶴田氏が1人で対応。全く問題なく日々の作業を遂行できている。
クライアント側の視聴状況や傾向を直観的に把握できるBizlat のダッシュボード
Bizlat Cloudの導入効果について鶴田氏は、「非常にタイトな開発期間で無事システムの切り替えが実現でき、さらにその後一切トラブルが発生していないことは、非常に大きな導入効果であったと感じています」と話す。
この背景には既に用意されていたBizlat Cloudの提供機能の存在があるが、鶴田氏は同時にEVCの貢献についても言及し、「EVC社は動画配信ビジネスを完全に理解し、それを実現するシステム基盤を持っていることで、この機能は既に存在するから利用すれば良い、これは新たに開発すべき機能だといった判断を下し、開発プロジェクト全体をプロデュースすることができます。この点については、非常に高く評価しています」と強調する。
また実際の運用については、ネットカフェ等の店舗における利用状況を素早く確認できるようになった点を挙げ、鶴田氏は次のように話す。
「前日、どの程度の視聴があったのかという利用状況を、翌朝確認できるようになりました。以前のシステムには、このようなログ集計機能は存在せず、店舗での動画の視聴を含めた稼動状況を素早く把握することができませんでした」。
これにより、大きな視聴数の変化が見られた場合には、店舗にトラブルが発生していないか確認をするなど、よりきめ細かな管理が可能となった。また店舗側にはお客様の利用状況を正確に把握できるというメリットがもたらされた。
拡張性という面では、クラウド環境を利用するBizlat Cloudのメリットが最大限に活かされた。
「1,000を超えるお客様に対して安定的にサービスを提供することが、私達の使命ですが、以前のシステムの場合には、オンプレミス環境に自前のサーバーを配備し、運用していたため、ビジネス規模の拡大に素早く、そして柔軟に対応することが困難でした。クラウドを前提としたBizlat Cloudを採用することで、回線、ストレージ、サーバー構成などに頭を悩ます必要がなくなり、本来注力すべきビジネスに、より多くの時間を割くことができるようになりました。これも大きな導入効果と言えるでしょう」(鶴田氏)。
さらに、利用者側のデバイスの多様化や利用形態の変化にも対応できる点について言及し、鶴田氏は、「弊社が映画の権利を購入する際、このコンテンツはネットカフェでの使用は可能だが、その他では使用不可といった制約が発生します。またデバイスについても、パソコン、スマホ、タブレットはOKだが、テレビでは利用できないなど、それぞれ細かい指定があります。以前はこの管理をすることができませんでしたが、新システムでは、お客様の業種、利用デバイスなどをBizlat Cloud上に登録することで、例えばこちらはネットカフェであり、デバイスとしてPCを利用しているから、この作品をメニューに表示し、配信できるようにするといったきめ細かな運用管理が可能となりました。さらに動画のサイズを何種類か用意し、利用デバイスがPCの場合にはこのサイズの動画を、またテレビの場合にはより高解像度の動画を提供するといった対応を自動的に行うことが可能となりました」と話す。