日本デジタル配信株式会社様
日本デジタル配信が
「ケーブル4K」の
編成システムとして
編成・送出Bizlatを採用。
効率的で柔軟な
編成環境を実現
日本デジタル配信株式会社は、ケーブルテレビ業界統一の4K専用チャンネル「ケーブル4K」の新たな編成システムとして、EVCが提供する編成・送出Bizlatを採用。
クラウドベースシステムの特性を活かし、手作業で進められていた編成作業を刷新し、より効率的な対応を可能にすると共に、誰でも、どこからでも利用できる柔軟性の高い編成環境を構築した。
これにより、2015年の開局当時と比べ激増したコンテンツを、当時と同じ2名の運用担当者で運用可能にするなど多くの導入効果を実現した。
お客様紹介
日本デジタル配信株式会社
事業推進本部 コンテンツサービス企画部
マネージャー
吉森 健陽 氏
日本デジタル配信株式会社
事業推進本部 コンテンツサービス企画部
大塩 絢美 氏
日本デジタル配信株式会社
事業推進本部 コンテンツサービス企画部
小的 芳史 氏
日本デジタル配信株式会社
事業推進本部 コンテンツサービス企画部
青木 孝介 氏
日本デジタル配信株式会社
2000年4月、ケーブルテレビ業界のデジタル化推進に向け、光ファイバー幹線を保有する首都圏の鉄道各社、電力事業者、ケーブル事業者各社の共同出資により設立。国内のケーブルテレビ事業者の8割近くの配信を手掛ける圧倒的なシェアを誇る。現在は、業界統一の4K専用チャンネル「ケーブル4K」を提供するなど、新たな顧客価値創造に努めている。
〒100-0013 東京都千代田区霞が関3丁目7番1号 霞が関東急ビル14階
https://www.jdserve.co.jp/
導入の背景
激増する視聴者への対応に向け編成強化が不可欠に。
従来の手作業での運用からの脱却も急務となる
「あらゆるネットワーク&テクノロジー、それに英知を結集して、生活を支える豊かなメディアライフを創造し、新たな喜びを共有する」という企業理念の下、ケーブルテレビ向けデジタル放送配信事業を機軸に、幅広いソリューションを提供する日本デジタル配信株式会社(以下、日本デジタル配信)。
放送サービス高度化の潮流が加速する中、より高精細・高画質で魅力的な映像体験を提供するために、同社は2015年12月、「ケーブル4K」サービスの提供を開始した。
日本デジタル配信株式会社 事業推進本部 コンテンツサービス企画部 マネージャーの吉森 健陽(たけはる)氏は、同サービスについて「ケーブル4Kは、ケーブルテレビ業界が結集する形で実現した業界統一の4K専用チャンネルです。民放での4Kサービス提供よりも3年も早く開局し、全国のケーブルテレビ局から持ち寄った番組を中心に編成を行っています」と話す。
地域に密着したケーブルテレビならではの制作番組で、日本各地の伝統や文化を高精細・高画質で提供する。
こうして4Kサービスの提供を開始した同社だったが、その後の視聴者数の増加は予想を上回るものだった。特に民放による衛星放送での4Kサービスが開始された2018年12月以降、「毎月10万といった単位で、視聴者数が増えていく状況でした」(吉森氏)。
ビジネスの展開としては好ましい状況であったが、サービスの運用という面では、幾つかの課題が浮上してきた。
当時の状況について、日本デジタル配信株式会社 事業推進本部 コンテンツサービス企画部の大塩 絢美(あやみ)氏は、「視聴者数、つまりSTB(セットトップボックス)の台数の増加が著しい状況下で、視聴者の期待に応えるためには、編成強化が不可欠でした。しかし、激増する業務量に対応し、編成の強化を図るためには、スタッフの増強が必要になります。従来のスタッフで対応するためには、業務を簡略化し、作業効率を向上できる仕組みが必須と考えました」と回想する。
また当時は、週替わりで編成を行っていたが、編成強化の一環として、このサイクルについても見直しが必要となった。「ケーブル4Kが次のステップへ進むためには、やはり日替わりの編成が必要であるという結論に至りました」(吉森氏)。
しかし、ここで課題となったのが、従来の手作業による編成運用であった。
2015年12月のケーブル4K開局前から編成作業を担当してきた日本デジタル配信株式会社 事業推進本部 コンテンツサービス企画部の小的芳史(よしふみ)氏は次のように話す。「6時間の内容を1日3回ループさせる18時間編成という運用形態で、EXCELを使って手作業で編成し、週替わりで提供していました。当時はまだコンテンツ数が多くありませんでしたが、それでも作業には1週間はかかっていました。例えば、この番組を何回放送したか?と聞かれた場合には、手作業で数えるという対応を行っていました」。
週替わりから日替わりへの運用の変更、さらに激増するコンテンツを考えれば、このような運用では立ち行かなくなるのが明白だった。
手作業による運用からの脱却と、運用業務そのものの簡略化、さらに作業効率を向上させることのできる仕組みの実現に向け、同社では新たな編成システムの導入を決定。2019年2月から、実際に導入するソリューションの検討を開始した。
導入の経緯
ハードウェア不要のクラウドベースソリューション。
豊富な導入実績などを評価し編成・送出Bizlatを採用
検討の過程では、他のソリューションについても評価を行った同社だが、その要件に合致するものではなかった。
「クラウドでのアプリケーション提供が必須要件と考えていましたが、他社の製品はクラウド対応ではなく、ハードウェアが必要なものでした。コスト的に高額であっただけでなく、一旦ハードウェアを所有した場合には、故障や経年劣化などで入れ替えが発生するといったリスクがあるため、候補から除外しました」(大塩氏)。
端的に言ってしまえば、同社が考えるサービスは4Kだけに限定されるものではなかった。仮に今後8Kの世界が到来してもサービスの提供を継続することを考えれば、4K対応のハードウェアを所有することはリスク以外の何者でもない。
検討が続く中、業界団体の集まりでEVCのプレゼンテーションを見た前任者からの紹介で、吉森氏はEVC提供ソリューションの存在を知る。
編成・送出Bizlatは、映像配信でコアとなる「編成業務」を支援するクラウドベースのソリューションサービス。クラウドの特性を最大限に活かすことで、編成に関わる諸々の作業を、Webブラウザ経由の容易な操作で実施できる。
株式会社フジテレビジョンなど大手クライアントの導入実績もあり(フジテレビジョン様向けにEVCが提供したフルクラウド編成・送出システムは、第44回放送文化基金賞を受賞)、正に日本デジタル配信が求めていたソリューションだった。
こうして同社は2019年3月、複数の営放システムサプライヤーに打診の上、同5月に編成・送出Bizlatの導入を決定。9月から各種情報入力を進め、2020年1月には実運用を開始した。
実際のソリューション導入にあたっては、日本デジタル配信とEVCの間でミーティングを含めた意思疎通のためのやり取りが繰り返され、ベースとなる編成・送出Bizlat上で同社の個別要件を満たすためのカスタマイズを行うという形態が取られた。これにより、スクラッチで1から構築した場合よりも速く、そしてリーズナブルなコストでシステムを実現することができた。
導入のポイント
- 従来の運用手順を踏襲しながら大幅な効率向上を達成
- 激増したコンテンツにも従来の2名の運用担当で対応が可能に
- クラウドの特性を活かし誰でもどこからでも利用できる編成環境を実現
導入の効果
激増したコンテンツにも同じ人数の担当者で対応。
既存の作業手順を保持しながら効率を大幅に向上
実運用開始から約2年が経過した編成・送出Bizlatだが、その導入効果は様々な面で発揮されている。
日本デジタル配信株式会社 事業推進本部 コンテンツサービス企画部の青木孝介(こうすけ)氏は、コンテンツが激増する中でも、2015年当時と同じ2名の担当者だけで編成作業を推進できている点を評価し、次のように強調する。
「2015年12月の開局時点では60~70だったコンテンツが、現在(2021年12月)では2,700という数になっています。またケーブル4Kの採用事業者も全国76社におよんでいます。以前のように私達担当者がそれぞれ別々に扱う形では到底運用できなかった膨大なコンテンツ数になっても、編成・送出Bizlatによるクラウド上での一元管理によって容易に、そして同じ人数の担当者で運用できている点は大きな導入効果だと実感しています」(青木氏)。
単純計算でも約40倍増加したコンテンツと週替わりから日替わりへの運用変更を、同じ数の担当者が問題なく運用できている点は、劇的な効果と言っても過言でないだろう。
また事前に想定したものではなかったとしながらも、青木氏はコロナ禍での運用に触れ、「これは結果論ですが、ちょうど編成・送出Bizlatを導入した頃、新型コロナウィルス感染症が拡大し、皆出社できなくなるという事態が発生しました。しかし、クラウドを前提とした編成・送出Bizlatによって、それぞれ自宅に居ながらコンテンツを管理できた点は、本当に助かりました」(青木氏)と話す。
小的氏も同様な視点から、「コロナ禍でも問題なく運用できた点は、非常にありがたいと感じました。専用の端末も必要なく、通常のパソコンのWebブラウザから対応できるため、自宅で入力した内容を書き出し、週に1度出社してチェックするという運用を行うことができました」と話す。
現在は出社する形でシステム運用を行う状況に戻っているが、仮に災害等で出社できない場合でも、システム運用を滞りなく遂行できるようになった点は、運用担当者にとって大きな安心材料となっている。
さらに小的氏は、EVCによるシステムのインテグレーションについて言及し、「元々存在していた日本デジタル配信のシステムに、編成・送出Bizlatの機能を寄せて頂いたと感じています。このシステム連携にあたっても、運用を担当している私達の作業手順が、以前と変わらないよう対応頂いた点は、高く評価できると思います」と話す。
作業手順などを大幅に変更することなく対応できるようカスタマイズされた編成・送出Bizlatは、正にユーザーに寄り添ったものと言えるだろう。
企業としてのEVCの対応についても評価のコメントが挙がっている。
青木氏は、「編成・送出Bizlatを含めた新システムのテストは、約1ヶ月ほど続きましたが、その間EVC社のレスポンスが非常に速かったことが、記憶に残っています。問い合わせを行うと、その日のうちに回答が返って来たり、修正した内容が反映されたりするなど、素早く対応頂いたおかげで、スムーズにテストを進めることができました」と話す。
吉森氏も「改修が発生した際にも、その都度リクエストに応じてカスタマイズ頂きました。他社ではあり得ないほどのスピード感を持って進めて頂けたおかげで、常に私達にとって最善の編成システムを利用することができています」と付け加えた。
最後に、従来のハードウェア中心で構成された編成システムから、ソフトウェアベース、特にクラウドを活用したシステムに変わったことによるメリットとして大塩氏は、「編成の運用担当者だけでなく、私自身もシステムを使用することがあります。仮に以前のような機器、ハードウェアベースのシステムであったら技術者にお願いしなければ対応できなかった作業も、現在は自分で進めることができます。例えば、視聴率データを収集するため編成内容を編成・送出Bizlat からCSVファイルとして抽出するといった作業を進められる点は、大きなメリットと感じています。操作が容易で分かりやすいためマニュアルを手元に用意しなくても扱うことができるのです」と付け加えた。
通常業務で使用しているパソコンのWebブラウザから使用できる編成・送出Bizlatの特性により、様々な立場の担当者がメリットを享受できる好例と言える発言だった。
今後の展開
送出サーバーの切り替えを機にシステムを刷新。
編成・送出Bizlatは今後も継続使用が確定
導入後の実運用を通じて、編成・送出Bizlatの多くのメリットを享受してきた日本デジタル配信だが、今後の展開についても計画が明確化しつつある。
2022年4月、ケーブル4Kで使用する送出サーバーの(経年による)切り替えを予定している同社だが、編成・送出Bizlatの継続使用が確定している。
吉森氏は、「正直に言って、他のシステムへの切り替えは全く頭にありませんでした。このリプレースに合わせてデータセンターも若干遠方に移転することになりますが、コロナ禍の経験で分かったように、編成・送出Bizlatを使えば、場所を問わずに運用作業を行うことが可能であるため、これを手放すことはあり得ません」と強調する。
コロナ禍や今回の移転などでの容易な対応を考えると、編成・送出Bizlatの採用は、時代の流れに合致し、さらに先取りしたような判断であったと言えるだろう。
大塩氏も「仮に今回のリプレースで何らかの事故が発生した場合でも、編成・送出Bizlatについては既に使用しているため、事故リスクが低いと判断しています。安定運用という視点から見ても、編成・送出Bizlatから他のシステムへの変更という考えはありません」と話し、今回のインタビューを締めくくった。
幅広い視聴者に対して高精細・高画質で魅力的な映像体験を提供し続ける日本デジタル配信の「ケーブル4K」サービス。そのコアとも言える編成業務を支える編成・送出Bizlatは、現在、そして将来にわたっても、同社にとって必要不可欠な存在となっている。
いいね!にっぽん
写真左から:柳亭 小痴楽、駒村多恵
数々のテーマで全国のケーブルテレビから日本の" いいね!"を総結集した4K番組。(制作:JDS)