「パーソル パ・リーグTV」ライブ配信の裏側に迫る
第4話:試合後編
試合が終わっても、パーソル パ・リーグTVのサービスが終了となるわけではない。ダイジェストやヒーローインタビューについても、確実に視聴者にお伝えする必要がある。5回シリーズでお届けする「『パーソル パ・リーグTV』ライブ配信の裏側に迫る」の4回目は、このような試合後の対応に関わる舞台裏を紹介する「試合後編」をお届けする。
今回も、パシフィックリーグマーケティング株式会社 メディア事業本部 メディア事業部 メディアセンター長 兼 事業開発本部 事業開発部の上野友輔氏、メディア事業本部 メディア事業部で動画配信パートを担当する山口麗氏にお話をうかがった。
試合後はダイジェストや
ヒーローインタビューの対応
通常は、試合終了後にダイジェストやヒーローインタビューの配信対応を行います。
また特集動画が、試合が終わった段階で出来上がるため、それをパーソル パ・リーグTV用にアップするといった作業も発生します。さらに外部のメディアの方々向けに、動画コンテンツを用意するという仕事もあります。だいたい午後11時前後までに、これらを完了させます。
これ以外にも、後から動画コンテンツとして使用できるように素材を収集したり、翌日の対応に向けた準備を事前に行ったりといった作業を行う。深夜におよぶ対応だが、担当者は昼の部、夜の部という2つに分け、シフトする勤務形態でこの運用を回している。
準備、試合中、試合後を通じて
Bizlatが必要不可欠に
第1話からここまで、動画配信を支える担当者の方々の様々な作業についてご紹介してきたが、彼らの業務を支える動画配信プラットフォームとなっているのが、EVCの提供する「Bizlat Cloud」だ。
Bizlat(ビズラット)は、動画配信サービスの構築に必要なサーバー類や動画など、あらゆる情報を一元管理し、視聴環境を自動判別して最適な画質で配信する高機能な動画配信システムである。クラウド提供の動画PaaSサービスを組み合わせた Bizlat Cloud は、特に大規模な動画配信を安全に、そして安定して運用できるプラットフォームを実現している。分かり易いユーザーインターフェースで、ライブ配信だけでなくアーカイブによるVODサービスも提供している。
上野氏は、
一言でいえば、Bizlatがなければパーソル パ・リーグTVのサービスは実現できないと思います。
試合前、試合中、そして試合後も含め、全ての対応がBizlat上で行われます。イニングVOD、マルチアングルVOD、そしてライブ配信など、様々なサービスを支えているのがBizlatとなります。
とその評価を話す。
各担当者の作業確認や
アプリで使用するサムネイル作成
山口氏は、試合後の定常作業として各担当者の作業確認やサムネイルの作成を挙げる。
試合後には、各担当者がコンテンツとして編集した内容について、一貫して確認作業を行います。
また、それぞれのイニングで一番目立ったシーンを、アプリケーションで使用するサムネイル画像としてBizlatに登録するといった作業も行います。
こうして試合開始2時間半前から準備をしてきた運用作業が完了する。緊張の連続となり、また夜間での作業となる動画配信サービスの舞台裏だが、それぞれの担当者が生き生きと業務を遂行できるのは、視聴者が喜ぶコンテンツを提供するという “やりがい” と共に、シンプルに「皆、野球が好きだから」(山口氏)という背景があるようだ。
プライベートの時間には何を?
統括管理者という立場で、毎回のリアルタイム動画配信に緊張感を持って臨む山口氏は、もしかしたら多くのストレスを抱えているかも知れない・・・という思いを込めて、プライベートの時間にはどのようなことをするのか質問してみた。
休みにはプライベートで球団のキャンプ先を訪れます。
先日も石垣島に行ってきました。
余談ながら、取材をしたり動画を撮影したりといったことではない。1野球ファンとしてキャンプ地を訪れ、その瞬間を楽しんでいるということだ。山口氏が仕事だけでなくプライベートでも野球を楽しんでいる状況を想像し、その素敵な余暇の過ごし方を、正直羨ましいと感じた。
今回は、試合後編をご紹介したが、いかがだっただろうか?良いコンテンツ、そしてサービスを提供するためには、それを支える担当者自らが提供する対象を好きになり、また楽しむことが必要である、という原則を改めて認識させて頂けるインタビュー内容だった。
5回シリーズの締めくくりとなる次回は、今後の展開を含めた「将来編」をお届けする。